平日の昼間、10年ぶりくらいに尼崎競艇場に行ってみたのですが、本当に老人しか観客が居ません。
施設も老朽化していて、場内のテナントも数店の焼きそば屋やタコヤキ屋のぞいて、全てシャッターが閉まっている。なんかゴーストタウンみたいな感じです。
そんな具合だから、私は「これは競艇業界ダメダメだな。売り上げも相当に落ちてるんだろうなあ」と思ったのですが、実際に調べてみると意外にもここ数年、売り上げはずーっとプラス成長になってるみたいです。
1991年・・・・2年前の89年に株バブルが崩壊して、その影響が実体経済に反映され始めた「失われた20年不況」の始まりの年に競艇の売り上げは2兆2000億円の史上最高額を達成します。
その後の売り上げは、日本経済の低迷にあわせるように急速に下落して、1991年から20年後の2011年、東日本大震災の年には8600億円まで縮小してしまいます。
ところが、2011年を底にして2012年~2016年まで連続でプラス成長を達成し、直近の2015年、2016年には売上高1兆円越えをする大健闘。
売り上げが上昇を始めた2012年は、第二次安倍内閣が発足してアベノミクスで株価が上昇し、経済が上向き始めた時期です。
つまり、競艇の売上額は日本経済全体の動きと、ぴったり一致して連動しているわけです。
まあ、日本の経済全体が上向けば、オッサン達の金回りも良くなるのだから競艇の売り上げが増えるのは不思議でもなんでもないですが。
で、まあアベノミクスで景気が回復したから、競艇の売り上げも回復したと。
これが、世間一般の普通の認識ですよね。
けれども、底辺を生きる野性の勘?を持つ私にはわかります。
この因果関係は逆であると。つまり、日本経済が良くなったから、競艇の売り上げも良くなったのではなく、競艇の売り上げが増えたから、日本経済が好景気になったんやで。いや、マジで(^^)
そして、その競艇の売り上げ向上に大きく貢献したのが、一連の奇抜なテレビCM。
特にムチムチの肉体をピチピチの猫型ボンテージスーツに包んだ、ダイナマイトボートレースな渡辺直美のCMは世間の度肝を抜きました。
渡辺直美のCMで競艇の売り上げが伸びて、日本経済が回復した。
日本を救ったのはアベノミクスじゃなくて、渡辺直美やったんや。
渡辺直美にマジ感謝やで。
と、まあ冗談はさておき、私は2012年というのはアベノミクスのスタートの年というだけでなく、日本経済全体にとってのターニングポイントになる年であったと考えています。
ここに非常に興味深いレポートがあります。
団塊の世代が2012年を境に一斉に定年退職をしはじめる。そのことは日本の労働市場に大きな影響を与えるという内容のレポートですが、私が注目するのは労働市場の話ではなく、定年退職した団塊の世代のオッサンのことです。
退職して、退職金と(団塊の世代は皆、正社員だから退職金が出ます)、年金を手にした仕事をしてない暇なオッサン達は、平日の昼間に家に居ても退屈です。
そんな退屈なオッサンたちが行く場所といえば・・・・もちろん、競艇場です。
そう、私が平日の尼崎競艇場で見かけたオッサン達は、仕事をやめて暇をもてあました団塊の世代のオッサン達だったのです。
暇なオッサン達が行く場所は競艇場に限りません。
平日のショッピングモールに行けばオッサン、オバサンが用事も無いのにフラフラと店内を徘徊している。
ファミレスやフードコートも、お爺ちゃん、御婆ちゃんでいっぱいです。
いまや、老人が消費の中心なのです。
暇と金を持ち合わせた老人が日本の経済を動かしているのです。
ありがとう老人。老人最高や(^^)
「ワイも早く老人になって夢の年金生活をおくりたいぜ(^^)」
私もそんな風に希望に胸を膨らませているのですが、なんかねえ・・最近、政府が働き方改革とか1億総活躍社会とか言い出して、75歳になっても働き続けろとか言ってるらしいじゃないですか。
75歳まで働けとか・・・鬼か?悪魔か?
何で団塊の世代は逃げ切りで十分な年金を貰えるのに、私たち下の世代は75歳まで働かなくてはならないのでしょうか(;д;)
不平等すぎるでしょ!!