朝の西成あいりん地区を歩いていると、作業着を着た10人ほどのオッチャンが列を組んで路上のゴミ拾いをしている光景にでくわします。
この人たちは特別清掃事業とよばれる仕事についている人たちです。
特別清掃事業とは、日雇いの仕事にあぶれて金銭的に困っている高齢者に対して大阪府が福祉的な意味合いで行っている雇用対策事業です。
ただ、福祉的な意味合いといっても、実際にオッチャン達は町を清掃してくれているわけですから、西成の町って、実は意外に綺麗です。
・・・いや、まあ確かに小便くさい箇所があったりはするのですが、少なくともスラム街と聞いて世間一般がイメージするような、路上にゴミが散乱していたり、ゴミ箱が溢れて異臭がしていたりとか、そんな状況ではありません。一応、総じて綺麗です。
さらにいえば、かつてのドヤ宿も福祉アパートやバックパッカー向けの格安ホテルに衣替えするにしたがって、昔のように「安ければなんでもエエやろ」みたいな感じではなくなって、建物の外観もずいぶん小奇麗になっています。
そんなわけで、あいりん地区は着実に明るく清潔になってきています。
だが、そんな時代の流れに堂々たるレジストを仕掛けるのが信念の労働活動家、稲垣浩氏のアジト・・もとい事務所が置かれている釜ヶ崎解放会館。
ちょ、どういうことなんだよ、これは。
これ、誰がどう見ても廃墟にしか見えないのですが、一応、間違いなくこの建物の中では稲垣浩事務所、釜ヶ崎炊き出しの会、釜ヶ崎地域合同労働組合の三つの組織が活動しているはずです。いや、人の気配がまったくしないんですが。でも活動しているんです。
活動記録のブログです。最近まで更新され続けているのだから、間違いなく活動は継続されています。
さて、あいりん地区の公園で毎日行われている炊き出し活動で有名な稲垣氏ですが、不撓不屈の選挙チャレンジャーという側面も見逃せません。
大阪市議会議員選挙に1979年からチャレンジすること、12回。そして、12連敗。1944年生まれの稲垣氏はもう70代のはずですが、直近の2015年大阪市議会議員選挙にも参加されています。
イロイロ、毀誉褒貶のある人物ですが、長年にわたって炊き出し活動を行い、多くの困っている人のために働いてきた実績は本物のはず。
それなのに、どうして選挙に勝てないのか。
まあ、それにはイロイロな理由があるのでしょうが、ひとつにはこの選挙事務所の外観でしょう。
私たち底辺人間は、「人は見た目やない。大事なんは中身や」という考えを持ちがちなのですが・・・そして、その考え方は決して間違ってはいないのでしょうが、だからと言って、物事には限度があるだろうという(^^)
いくらなんでも、この釜ヶ崎解放会館の建物はボロ過ぎるでしょう。
ビニールの庇に「困りごと相談受けます」と書かれていますが、どうみても建物の住人のほうが困ってそうですやん。
信頼、信用が第一の政治家稼業で、周りから胡散臭く見られるような外見や行動は致命傷ですよ。
長年にわたって、炊き出し活動を続けられてきた稲垣氏なのだから、最後に一花咲かせて議員当選してもらいたいんですけどねえ。このままじゃあ、無理っぽいですよ(;д;)
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